骨アミロイド腫症例報告と文献的考察

症例は54才,女性で,横断性脊髄障害と骨硬化性の縁どりをもつ多発性骨融解像があり,骨シンチでRI集積が観察された.血中にIgのM成分なく,尿中に微量のκ-BJPが同定された.骨病変部は形質細胞増殖をともなう塊状のAL型アミロイドに置換され,形質細胞内にIgA・κが検出された.経過は11年と長く,従来のAL型アミロイドーシスとは著しく異なる病像を呈した.類似の文献例は22例あり,骨髄腫に合併した例と,原発性アミロイドーシスの例がある.中高年令層の男性に多く,長期の経過をとっている. IgのM成分は5例で記載され,すべてκ型であつた.本例と文献22例は骨アミロイド腫amyloidomaと称すべきA...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 75; no. 4; pp. 537 - 545
Main Authors 小阪, 昌明, 斎藤, 史郎, 佐野, 寿昭, 増田, 健二郎, 白神, 〓, 井口, 敬一, 川浦, 昭彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.04.1986
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.75.537

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Summary:症例は54才,女性で,横断性脊髄障害と骨硬化性の縁どりをもつ多発性骨融解像があり,骨シンチでRI集積が観察された.血中にIgのM成分なく,尿中に微量のκ-BJPが同定された.骨病変部は形質細胞増殖をともなう塊状のAL型アミロイドに置換され,形質細胞内にIgA・κが検出された.経過は11年と長く,従来のAL型アミロイドーシスとは著しく異なる病像を呈した.類似の文献例は22例あり,骨髄腫に合併した例と,原発性アミロイドーシスの例がある.中高年令層の男性に多く,長期の経過をとっている. IgのM成分は5例で記載され,すべてκ型であつた.本例と文献22例は骨アミロイド腫amyloidomaと称すべきAL型アミロイドーシスの一亜型と考えられる.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.75.537