血小板減少症を伴ったABO不適合新生児黄疸の1例

母子間の血小板型やHLA型不適合のため同種免疫により新生児血小板減少が起こることが知られている. 今回我々は, 高力価抗B抗体及び抗HLA抗体によると思われる血小板減少症を伴った新生児黄疸例について免疫血液学的検討を行ったので報告する. <症例>O型の1経産婦(30才)から生まれたB型の男児で出生体重3320g, Apgar score 9点. 出生直後より黄疸を認めたため光線療法を開始し6生日目に黄疸は軽減した. 一方血小板数は, 1生日目9.4×10^4 /ulから3生日目には6.0×10^4 /ulと減少し, 2生日目に人免疫グロブリン製剤が投与された. 7生日目に血小板数は...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 36; no. 2; p. 374
Main Authors 野原正信, 田中明美, 坂本久浩, 中西茂則, 中村外士雄, 白幡聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.05.1990
Online AccessGet full text
ISSN0546-1448

Cover

More Information
Summary:母子間の血小板型やHLA型不適合のため同種免疫により新生児血小板減少が起こることが知られている. 今回我々は, 高力価抗B抗体及び抗HLA抗体によると思われる血小板減少症を伴った新生児黄疸例について免疫血液学的検討を行ったので報告する. <症例>O型の1経産婦(30才)から生まれたB型の男児で出生体重3320g, Apgar score 9点. 出生直後より黄疸を認めたため光線療法を開始し6生日目に黄疸は軽減した. 一方血小板数は, 1生日目9.4×10^4 /ulから3生日目には6.0×10^4 /ulと減少し, 2生日目に人免疫グロブリン製剤が投与された. 7生日目に血小板数は12.8×10^4 /ulと増加したが, その後再び減少し13生日目に4.6×10^4 /ulと最低値を示した後, 20生日目に正常値に回復した.
ISSN:0546-1448