光干渉断層計の眼科臨床応用

光干渉断層計(OCT)は, 高解像度の組織の断層像を撮影する検査であるが, 1996年に眼科分野で最初に眼底病変の解析用として市販機が登場した. それまでは, 眼底の病変は瞳孔から覗く方向から観察されており, 病変の横方向の広がりは詳細に把握できるものの縦方向(前後方向)の評価は困難であった. そこにOCTの登場によりその断層像が撮影可能となり病変の縦方向の解析が可能となり, 眼底病変の診断能力は大幅に向上した. その後, OCTは解像度・スキャンスピード・解析ソフトウェアが向上することでその精度および有用性も向上しており, 現在では一般診療所の導入率も上昇してきている. さらに, 近年では角...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 31; no. 4; p. 457
Main Author 伊藤逸毅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 31.01.2011
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ISSN0288-6200

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Summary:光干渉断層計(OCT)は, 高解像度の組織の断層像を撮影する検査であるが, 1996年に眼科分野で最初に眼底病変の解析用として市販機が登場した. それまでは, 眼底の病変は瞳孔から覗く方向から観察されており, 病変の横方向の広がりは詳細に把握できるものの縦方向(前後方向)の評価は困難であった. そこにOCTの登場によりその断層像が撮影可能となり病変の縦方向の解析が可能となり, 眼底病変の診断能力は大幅に向上した. その後, OCTは解像度・スキャンスピード・解析ソフトウェアが向上することでその精度および有用性も向上しており, 現在では一般診療所の導入率も上昇してきている. さらに, 近年では角膜や隅角を解析する前眼部用の機種が出現するなど, その適応はさらに拡大している. 本講演では, これまでの経緯および眼科臨床でのOCTの有用性について解説する.
ISSN:0288-6200