平山病の経頭蓋的磁気刺激法による検討

症例は19歳男性. 16歳より右第4指の脱力を感じることがあり, 17歳には右背側第1指と第2指の間のやせに気付く. 18歳時, 仕事中の右手の使いづらさを自覚し, 1995年10月北大神経内科を受診. 1996年2月同科に入院, 平山病と診断. 同年3月に当科にてMEPの検査を施行. 初診時所見としては, 右第一背側骨間筋, 小指外転筋, 右前腕尺側の筋萎縮を認め, 右上肢腱反射の軽度低下, 右手指の伸筋・屈筋群の中等度以上の筋力低下を認めた. ミエログラフィーにて, 頸部前屈位の硬膜後壁の前方への移動, ミエロ後CTにて脊髄腹側の扁平化と頸部前屈位での頸随圧迫を認めた. 頸部正中位より前屈...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 35; no. 1; p. 54
Main Authors 中馬孝容, 渡部一郎, 白土修, 真野行生, 菊地誠志, 田代邦雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.01.1998
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ISSN0034-351X

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Summary:症例は19歳男性. 16歳より右第4指の脱力を感じることがあり, 17歳には右背側第1指と第2指の間のやせに気付く. 18歳時, 仕事中の右手の使いづらさを自覚し, 1995年10月北大神経内科を受診. 1996年2月同科に入院, 平山病と診断. 同年3月に当科にてMEPの検査を施行. 初診時所見としては, 右第一背側骨間筋, 小指外転筋, 右前腕尺側の筋萎縮を認め, 右上肢腱反射の軽度低下, 右手指の伸筋・屈筋群の中等度以上の筋力低下を認めた. ミエログラフィーにて, 頸部前屈位の硬膜後壁の前方への移動, ミエロ後CTにて脊髄腹側の扁平化と頸部前屈位での頸随圧迫を認めた. 頸部正中位より前屈位にさせ経時的にMEPの波形の変化を観察した. 頸部前屈位によりMEPの波形の変化を認めた. 自覚症状では右第5指の動きにくさを訴えたが, 頸部を正中位に戻すことにより自覚症状は消失. しかし, MEPの波形の変化は続いた. 今回, この点について健常者との比較を行い検討を行ったので報告する.
ISSN:0034-351X