車椅子バスケットボールが骨密度に与える影響について
【目的】骨塩量測定装置を用いて, 車椅子身体障害者の骨密度を測定し, スポーツ群と非スポーツ群を比較することにより車椅子スポーツ(車椅子バスケット)が骨密度に与える影響について検討した. 【方法】脊髄損傷にて車椅子生活の男性11名(障害等級1~2級)を対象とした. そのうち5名(23~49歳, 平均年齢34歳)は車椅子バスケットチームに所属し, スポーツ群(以下, S群)とした. 他の6名(23~44歳, 平均年齢29歳)はスポーツを行っていない非スポーツ群(以下, NS群)とした. S群の障害レベルは第6胸髄から第1腰髄であり, NS群は第6胸髄から第3腰髄であった. 骨密度はNORLAND...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 32; no. 11; pp. 746 - 747 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.11.1995
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 【目的】骨塩量測定装置を用いて, 車椅子身体障害者の骨密度を測定し, スポーツ群と非スポーツ群を比較することにより車椅子スポーツ(車椅子バスケット)が骨密度に与える影響について検討した. 【方法】脊髄損傷にて車椅子生活の男性11名(障害等級1~2級)を対象とした. そのうち5名(23~49歳, 平均年齢34歳)は車椅子バスケットチームに所属し, スポーツ群(以下, S群)とした. 他の6名(23~44歳, 平均年齢29歳)はスポーツを行っていない非スポーツ群(以下, NS群)とした. S群の障害レベルは第6胸髄から第1腰髄であり, NS群は第6胸髄から第3腰髄であった. 骨密度はNORLAND XR-26を用いDEXA法にて, 第2~4腰椎前後方向, 大腿骨頸部, 大転子部, Ward三角部, 橈骨遠位端1/10部を測定し, BMDを算出した. 【結果】第2~4腰椎全体の骨密度はS群1.027 g/平方センチメートル, NS群0.847 g/平方センチメートルであり, 有意差がみられた(p<0.05). 大腿骨頸部ではS群0.724 g/平方センチメートル, NS群0.538 g/平方センチメートル, 大転子部ではS群0.644 g/平方センチメートル, NS群0.438 g/平方センチメートル, Ward三角部ではS群0.796 g/平方センチメートル, NS群0.581 g/平方センチメートルであり, それぞれ両群間に有意差がみられた. 橈骨遠位端はS群0.546 g/平方センチメートル, NS群0.469 g/平方センチメートルでS群に多い傾向がみられたが, 有意差は認められなかった. 【結論】いずれの部位においても, スポーツ群は非スポーツ群と比較して骨密度が高値を示し, 橈骨遠位端以外では有意な差がみられた. よって, 車椅子スポーツ(車椅子バスケット)の練習は, 骨の脆弱化の予防に役立っていることが示唆された. |
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ISSN: | 0034-351X |