ポリイミドフィルム表面の高周波プラズマ処理と蒸着金属薄膜との接着性

高周波プラズマ法によりポリイミドフィルムの表面処理を行い, フィルム表面の水漏れ性, 極性基密度, ならびに真空蒸着したFe薄膜とポリイミドフィルムとの接着性に及ぼすプラズマ処理の効果について検討し, 以下の結果を得た. 1) ポリイミドフィルム表面を高周波酸素プラズマ処理することにより, フィルム表面の水濡れ性は, 短い処理時間で飛躍的に向上した. この水濡れ性は, 処理後の大気中での放置時間の増加とともに, 徐々に低下する傾向を示した. 2) フィルム表面をESCAにより表面分析した結果, 酸素プラズマ処理により, パーオキサイドやアミノ基などの極性基の生成が認められた. また, 表面に生...

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Published in高分子論文集 Vol. 47; no. 1; pp. 41 - 48
Main Authors 谷川, 聡, 中前, 勝彦, 松本, 恒隆, 犬塚, 稔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 25.01.1990
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.47.41

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Summary:高周波プラズマ法によりポリイミドフィルムの表面処理を行い, フィルム表面の水漏れ性, 極性基密度, ならびに真空蒸着したFe薄膜とポリイミドフィルムとの接着性に及ぼすプラズマ処理の効果について検討し, 以下の結果を得た. 1) ポリイミドフィルム表面を高周波酸素プラズマ処理することにより, フィルム表面の水濡れ性は, 短い処理時間で飛躍的に向上した. この水濡れ性は, 処理後の大気中での放置時間の増加とともに, 徐々に低下する傾向を示した. 2) フィルム表面をESCAにより表面分析した結果, 酸素プラズマ処理により, パーオキサイドやアミノ基などの極性基の生成が認められた. また, 表面に生成した極性基の密度は, 処理時の高周波出力ならびに処理時間に大きく依存した. 3) ポリイミドフィルムと蒸着Fe薄膜との接着性は, 酸素プラズマ処理により大きく向上した. また, この接着力は, 酸素プラズマ処理により生成した表面極性基密度と密接な関係を示した.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.47.41