北九州センターにおける自己血の現状
目的:同種血輸血による副作用予防目的から近年自己血輸血への関心が高まり血液センターの協力が望まれている. 当センターでも, 医療機関からの要望に答えるため可能な範囲で協力を行っている. その現状について報告する. 現状:輸血後副作用が問題視されるなか自己血の液状保存は, 平成元年度160件から平成4年度には384件と伸びている. 血液センターでは医療機関への協力として, 採血技術指導及び自己血の調整・保存を行っている. また, 特定医療機関への出張採血も平成5年2月より開始し10月までに延べ件数99件に達している. 採血基準は, Hb 11g/dl以上, Ht 33%以上等としている. 採血手...
Saved in:
Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 40; no. 3; pp. 570 - 571 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.08.1994
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0546-1448 |
Cover
Summary: | 目的:同種血輸血による副作用予防目的から近年自己血輸血への関心が高まり血液センターの協力が望まれている. 当センターでも, 医療機関からの要望に答えるため可能な範囲で協力を行っている. その現状について報告する. 現状:輸血後副作用が問題視されるなか自己血の液状保存は, 平成元年度160件から平成4年度には384件と伸びている. 血液センターでは医療機関への協力として, 採血技術指導及び自己血の調整・保存を行っている. また, 特定医療機関への出張採血も平成5年2月より開始し10月までに延べ件数99件に達している. 採血基準は, Hb 11g/dl以上, Ht 33%以上等としている. 採血手技は日赤の基準に基づき, 穿刺前の局所麻酔や採血後の輸液を行っていないためVVRの発生頻度が高く出ると予測したが, その頻度は現在わずか1%である. また, 平成5年8月には適切な自己血輸血の普及のため, 九大の稲葉先生を招き「自己血講演会」を開催し血液センターと病院相互の連携・役割分担について説明を行った. その他, 平成3年8月より止血・移植骨生着などの目的で自己血漿を転用したフィブリン糊の作成を行っている. さらに自己血輸血の一環として, PBSCTにおける採取から調整・保存に関する技術協力を行うため, 準備をすすめている. 考察:今後自己血輸血は, 社会全体に浸透しその需要もますます増加していくと考える. 安全な輸血をめざし技術協力を行っているが, 出張採血等は人員等の問題から一部の病院にしか実施できておらず今後の課題の一つとなっている. |
---|---|
ISSN: | 0546-1448 |