混練方法が衝撃強さに与える影響

ポリ塩化ビニル (PVC) の耐衝撃性は微粉末状の炭酸カルシウム (CC) を良好に分散された状態でPVCに添加することによって大きく改善できる. 優れた耐衝撃性を得るための要因として, 数種類の安定剤, 可塑剤の量, PVCの種類および熱ローラによる混練温度および混練方法について検討した. その結果, 安定剤では脂肪酸塩が優れた効果を示した. PVCの分子量が大きく, 可塑剤が多い場合にも優れた耐衝撃性が発現する傾向が認められた. 混練温度と混練方法の影響が大きく作用し, 特に, 低温での予備混練が有効であった. 走査型電子顕微鏡 (SEM) による観察では優れた耐衝撃性を示した試料は良好な...

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Published in高分子論文集 Vol. 58; no. 3; pp. 99 - 104
Main Authors 福田, 徳生, 山口, 知宏, 今西, 秀明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 25.03.2001
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.58.99

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Summary:ポリ塩化ビニル (PVC) の耐衝撃性は微粉末状の炭酸カルシウム (CC) を良好に分散された状態でPVCに添加することによって大きく改善できる. 優れた耐衝撃性を得るための要因として, 数種類の安定剤, 可塑剤の量, PVCの種類および熱ローラによる混練温度および混練方法について検討した. その結果, 安定剤では脂肪酸塩が優れた効果を示した. PVCの分子量が大きく, 可塑剤が多い場合にも優れた耐衝撃性が発現する傾向が認められた. 混練温度と混練方法の影響が大きく作用し, 特に, 低温での予備混練が有効であった. 走査型電子顕微鏡 (SEM) による観察では優れた耐衝撃性を示した試料は良好な分散状態でPVCのマトリックス中にCC (粒径, 0.01-0.3μm) が存在することが示された.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.58.99