献血者より見つかったAMLの1例

当センターでは, 1996年11月より多項目自動血球分析装置SE-9000(東亜)において白血球分類を取り入れて血球計数検査を行っている. 今回, 血球計数は正常で一見健常人と思われる献血者から急性骨髄性白血病(AML)が見つかるという稀な経験をしたので報告する. 症例:1997年8月6日採血47歳男性. 〈血算〉WBC39.3×10^2 /μl, RBC479×10^4/μl, HGB14-4g/dl, HCT42.2%, PLT19.7×10^4 /μl. 〈血液像〉Blast25.0%, Stab7.0%, Seg16.5%, Lymph48.0%, Mono2.0%, Eosino 0...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 45; no. 1; p. 40
Main Authors 田中順子, 渡部ひとみ, 五島康洋, 永松力, 井上祐介, 山口伸二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.02.1999
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ISSN0546-1448

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Summary:当センターでは, 1996年11月より多項目自動血球分析装置SE-9000(東亜)において白血球分類を取り入れて血球計数検査を行っている. 今回, 血球計数は正常で一見健常人と思われる献血者から急性骨髄性白血病(AML)が見つかるという稀な経験をしたので報告する. 症例:1997年8月6日採血47歳男性. 〈血算〉WBC39.3×10^2 /μl, RBC479×10^4/μl, HGB14-4g/dl, HCT42.2%, PLT19.7×10^4 /μl. 〈血液像〉Blast25.0%, Stab7.0%, Seg16.5%, Lymph48.0%, Mono2.0%, Eosino 0.5%, Baso0.5%, (EBL1.0%). これらの所見よりAMLも考えられたが, 貧血や血小板減少も見られなかったためMDSを疑い受診をすすめた. その結果, AML(M1)と診断され即入院となった. 考察:血液センターにおいて血球計数検査は, 献血者へのサービスとして行っているものであるため, 血球計数のみの測定で十分のように思われがちである. しかし, この症例については, 白血球分類を取り入れていたことが一つのポイントであったと考える. また, 機器からの異常情報を見て標本を作製し, 鏡検により目視で異常細胞を確認したことから発見, 診断に至ったと思われる.
ISSN:0546-1448