Diffusion chamber型人工膵島(bio-artificial endocrine pancreas)の免疫隔離能に関する検討
Diffusion chamber型bio-artificial endocrine pancreas (DC型Bio-AEP)において、免疫隔離機能は必要不可欠なものである。今回われわれはin vitroの実験系で、免疫隔離膜への血清蛋白吸着の影響、および免疫グロブリン、補体の膜透過性を検討した。その結果、血清蛋白の吸着により膜の孔径は3/4に縮小したが、その開存数には変化を認めなかった。免疫グロブリンや補体の膜透過性の実験では24時間以内に75~100%の透過性を見たが、mixed matrixを免疫隔離機構としてともに用いた場合、膜とめ相乗作用によってその透過性は抑制され、さらに補体は失...
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Published in | 人工臓器 Vol. 26; no. 1; pp. 171 - 174 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
15.02.1997
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ISSN | 0300-0818 1883-6097 |
DOI | 10.11392/jsao1972.26.171 |
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Summary: | Diffusion chamber型bio-artificial endocrine pancreas (DC型Bio-AEP)において、免疫隔離機能は必要不可欠なものである。今回われわれはin vitroの実験系で、免疫隔離膜への血清蛋白吸着の影響、および免疫グロブリン、補体の膜透過性を検討した。その結果、血清蛋白の吸着により膜の孔径は3/4に縮小したが、その開存数には変化を認めなかった。免疫グロブリンや補体の膜透過性の実験では24時間以内に75~100%の透過性を見たが、mixed matrixを免疫隔離機構としてともに用いた場合、膜とめ相乗作用によってその透過性は抑制され、さらに補体は失活した。 このことより、われわれの開発したDC型Bio-AEPは免疫隔離能を備えたものであり、将来における免疫抑制剤を必要としない長期異種移植への臨床応用の可能性を示しているといえよう。 |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.26.171 |