潰瘍性大腸炎に急性膵炎を合併した1例
症例は, 19才の男子で全大腸炎型の潰瘍性大腸炎で,再燃寛解型であった.発症後3年に,仮性嚢胞を形成した急性膵炎の合併をみて,腹部超音波などでその経過観察をおこなった.文献的に明らかな膵炎を合併した報告は少ない,また原因にっいても不明である.今回自験例と既報例をみると,若年者発症の全大腸炎型潰瘍性大腸炎の活動期で,ステロイドを使用した時,膵炎の合併をみた例が多いという傾向があった.今後,潰瘍性大腸炎の患者で腹痛をみた時には,膵炎の合併も考慮する必要がある....
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 78; no. 1; pp. 75 - 78 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
10.01.1989
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.78.75 |
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Summary: | 症例は, 19才の男子で全大腸炎型の潰瘍性大腸炎で,再燃寛解型であった.発症後3年に,仮性嚢胞を形成した急性膵炎の合併をみて,腹部超音波などでその経過観察をおこなった.文献的に明らかな膵炎を合併した報告は少ない,また原因にっいても不明である.今回自験例と既報例をみると,若年者発症の全大腸炎型潰瘍性大腸炎の活動期で,ステロイドを使用した時,膵炎の合併をみた例が多いという傾向があった.今後,潰瘍性大腸炎の患者で腹痛をみた時には,膵炎の合併も考慮する必要がある. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.78.75 |