肝虚血再灌流障害発生における細胞内superoxide産生系の関与-CuZn-SOD過剰発現トランスジェニックマウスを用いた検討

肝の虚血再灌流障害における, 細胞質superoxide dismutase (SOD) の意義を検討するため, 細胞質分画のSOD活性が通常マウスの1.8倍に上昇したtransgenic mouseを用いて検討を行った. 15分間の70%部分肝虚血, 45分間の再灌流を行い, 血漿ALT, ヒアルロン酸濃度, 肝組織中の膜脂質過酸化物phosphatidylcholine hydroperoxide (PCOOH) を測定した. ALTおよびPCOOHは通常マウスで再灌流による増加を認めたが, transgenic mouseでは増加が抑制された. 両群でヒアルロン酸値は上昇を認めなかった....

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Published in肝臓 Vol. 40; no. 1; pp. 13 - 19
Main Authors 竹内, 丙午, 松野, 正紀, 福原, 賢治, 鈴木, 正徳, 海野, 倫明, 八巻, 孝之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.01.1999
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.40.13

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Summary:肝の虚血再灌流障害における, 細胞質superoxide dismutase (SOD) の意義を検討するため, 細胞質分画のSOD活性が通常マウスの1.8倍に上昇したtransgenic mouseを用いて検討を行った. 15分間の70%部分肝虚血, 45分間の再灌流を行い, 血漿ALT, ヒアルロン酸濃度, 肝組織中の膜脂質過酸化物phosphatidylcholine hydroperoxide (PCOOH) を測定した. ALTおよびPCOOHは通常マウスで再灌流による増加を認めたが, transgenic mouseでは増加が抑制された. 両群でヒアルロン酸値は上昇を認めなかった. 肝虚血再灌流障害の発生には細胞内で産生されるsuperoxideが関与しており, 細胞内活性酸素消去能の向上は再灌流障害の予防に寄与するものと考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.40.13