中下葉切除術後人工呼吸管理下に生じた高流量気管支胸膜瘻に対するバルーンカテーテルと有茎大網の使用

気管支断端瘻は, 人工呼吸管理下に発生するとその対応は難渋を極める.73歳男性, 右下葉腺癌に対して中下葉切除を施行したが術後肺炎を合併し人工呼吸管理を要するに至った.術後22日目, 断端気管支瘻, 膿胸が発生, 胸腔ドレナージ, 大網被覆術を施行した.しかしPEEPによる陽圧呼吸により破覆も破綻し, やむなくバルーンカテーテルを経気管支的に通し, 1.5mlの空気で充満して断端を閉鎖した.3ヵ月後バルーンを解除, 胸腔ドレーンからの空気漏れのないことを確認, カテーテルを抜去した.その後胸部X線上変化なく, 気管支瘻, 膿胸の治癒と認めた....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 7; no. 1; pp. 52 - 56
Main Authors 小林, 元壮, 田中, 紀章, 仁科, 拓也
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.01.1993
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.7.52

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Summary:気管支断端瘻は, 人工呼吸管理下に発生するとその対応は難渋を極める.73歳男性, 右下葉腺癌に対して中下葉切除を施行したが術後肺炎を合併し人工呼吸管理を要するに至った.術後22日目, 断端気管支瘻, 膿胸が発生, 胸腔ドレナージ, 大網被覆術を施行した.しかしPEEPによる陽圧呼吸により破覆も破綻し, やむなくバルーンカテーテルを経気管支的に通し, 1.5mlの空気で充満して断端を閉鎖した.3ヵ月後バルーンを解除, 胸腔ドレーンからの空気漏れのないことを確認, カテーテルを抜去した.その後胸部X線上変化なく, 気管支瘻, 膿胸の治癒と認めた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.7.52