A Case of Commando Surgery for Prosthetic Valve Dysfunction After Double-Valve Replacement

症例は77歳女性.5年前に大動脈弁僧帽弁人工弁置換術,三尖弁輪形成術,卵円孔直接閉鎖術,肺静脈隔離術,左心耳閉鎖術を施行した.術後定期検診の心臓超音波検査で大動脈弁と僧帽弁の人工弁の圧較差が徐々に上昇し,術後5年6カ月時点の心臓超音波検査で大動脈弁の最大血流速度(Vmax) 4.5 m/s,大動脈弁の平均圧較差(mPG) 41 mmHg,僧帽弁mPG 7.6 mmHgであった.労作時息切れの臨床症状も伴うようになったため再手術を行う方針とした.圧較差は上昇していたものの,両人工弁の弁尖に明らかな可動性低下や石灰化を認めなかったため,人工弁サイズを大きくすることで血行動態をより改善できると考えら...

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Published inShinzo Vol. 56; no. 1; pp. 55 - 60
Main Authors Ogawa, Tatsuya, Yoshida, Fumiya, Otani, Satoru, Matsumoto, Taiichiro, Kurata, Yuji, Yamamoto, Tsuyoshi
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Japan Heart Foundation 15.01.2024
公益財団法人 日本心臓財団
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.56.55

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Summary:症例は77歳女性.5年前に大動脈弁僧帽弁人工弁置換術,三尖弁輪形成術,卵円孔直接閉鎖術,肺静脈隔離術,左心耳閉鎖術を施行した.術後定期検診の心臓超音波検査で大動脈弁と僧帽弁の人工弁の圧較差が徐々に上昇し,術後5年6カ月時点の心臓超音波検査で大動脈弁の最大血流速度(Vmax) 4.5 m/s,大動脈弁の平均圧較差(mPG) 41 mmHg,僧帽弁mPG 7.6 mmHgであった.労作時息切れの臨床症状も伴うようになったため再手術を行う方針とした.圧較差は上昇していたものの,両人工弁の弁尖に明らかな可動性低下や石灰化を認めなかったため,人工弁サイズを大きくすることで血行動態をより改善できると考えられた.両人工弁をサイズアップする手段として再手術ではCommando手術を施行し,両弁ともに初回手術より1サイズ大きな人工弁を移植した.術後の心臓超音波検査で大動脈弁mPG 10 mmHg,僧帽弁mPG 6.2 mmHgと両人工弁ともに圧較差の改善を認めた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.56.55