Overview of 5th WHO classification and thyroid neoplasms and follicular nodular disease
内分泌腫瘍の第5版WHO分類は2023年に発刊される。甲状腺腫瘍を腫瘍の発生と進行に関わる遺伝子変異からRAS系腫瘍とBRAF系腫瘍に2大別するとともに,腫瘍の分類項目が整理されている。また,臨床上の予後を考慮して低リスク腫瘍や高異型度癌の概念が新たに規定されている。その他に様々な変更がなされている中で,濾胞結節性疾患(FND)の名称で良性腫瘍の分類項目に組み入れられた腺腫様甲状腺腫については,その定義が甲状腺癌取扱い規約と差があり,原因が特定されるヨウ素不足やホルモン合成障害を含んでいる。濾胞結節性疾患の病態解明は未だ十分でなく,変異遺伝子などの分子病理学的な研究の進歩が待たれる。また,本邦...
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| Published in | Official Journal of the Japan Association of Endocrine Surgery Vol. 40; no. 2; pp. 87 - 92 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
Japan Association of Endocrine Surgery
2023
一般社団法人 日本内分泌外科学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 2434-6535 2758-8785 |
| DOI | 10.11226/ojjaes.40.2_87 |
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| Summary: | 内分泌腫瘍の第5版WHO分類は2023年に発刊される。甲状腺腫瘍を腫瘍の発生と進行に関わる遺伝子変異からRAS系腫瘍とBRAF系腫瘍に2大別するとともに,腫瘍の分類項目が整理されている。また,臨床上の予後を考慮して低リスク腫瘍や高異型度癌の概念が新たに規定されている。その他に様々な変更がなされている中で,濾胞結節性疾患(FND)の名称で良性腫瘍の分類項目に組み入れられた腺腫様甲状腺腫については,その定義が甲状腺癌取扱い規約と差があり,原因が特定されるヨウ素不足やホルモン合成障害を含んでいる。濾胞結節性疾患の病態解明は未だ十分でなく,変異遺伝子などの分子病理学的な研究の進歩が待たれる。また,本邦の甲状腺臨床に混乱が生じないように,名称変更の是非とともに,国内での対応法の検討が必要と考えられる。 |
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| ISSN: | 2434-6535 2758-8785 |
| DOI: | 10.11226/ojjaes.40.2_87 |