当院における予防的EISとEVL, EIS併用療法の治療成績の比較 特に再発率と生存率について

食道静脈瘤に対する内視鏡治療として, 内視鏡的硬化療法 (EIS) と内視鏡的静脈瘤結紮術 (EVL) 後に引き続きEISを追加する地固め療法 (EVL+EIS) が現在行われている.本研究では予防的な内視鏡治療が食道静脈瘤に対する治療後の再発率と生存率に及ぼす影響を検討した.対象は1984年から2004年に東海大学付属病院に食道静脈瘤治療のために入院した25名で, その内訳はEIS20名, EVL+EIS5名であった.血液検査成績の比較では, EVL+EIS群とEIS群においては, 血小板数, 血清アルブミン値, 血清総ビリルビン値, PT%に有意差はなかった.EVL+EIS群はEIS群と比...

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Published in日本門脈圧亢進症学会雑誌 Vol. 11; no. 3; pp. 262 - 265
Main Authors 長岡, 礼子, 峯, 徹哉, 長田, 成彦, 小嶋, 清一郎, 渡辺, 勲史, 幕内, 博康, 加川, 建弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本門脈圧亢進症学会 30.11.2005
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ISSN1344-8447
2186-6376
DOI10.11423/jsph1999.11.3_262

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Summary:食道静脈瘤に対する内視鏡治療として, 内視鏡的硬化療法 (EIS) と内視鏡的静脈瘤結紮術 (EVL) 後に引き続きEISを追加する地固め療法 (EVL+EIS) が現在行われている.本研究では予防的な内視鏡治療が食道静脈瘤に対する治療後の再発率と生存率に及ぼす影響を検討した.対象は1984年から2004年に東海大学付属病院に食道静脈瘤治療のために入院した25名で, その内訳はEIS20名, EVL+EIS5名であった.血液検査成績の比較では, EVL+EIS群とEIS群においては, 血小板数, 血清アルブミン値, 血清総ビリルビン値, PT%に有意差はなかった.EVL+EIS群はEIS群と比較すると再発は有意に高く, 生存率は低かった.以上より, EVL+EISは再発率, 生存率の点でEISと同等の治療効果は得られないと推定された.
ISSN:1344-8447
2186-6376
DOI:10.11423/jsph1999.11.3_262