自然分娩後の脊髄硬膜外血腫で対麻痺をきたした1例
自然分娩後に特発性脊髄硬膜外血腫を発症した症例を経験した. 23歳, 女性. 自然分娩16時間後に座位になろうとした際, 背部痛が起こり, その2時間後搬送された時点で両下肢の完全対麻痺を認めた. 両側乳頭より尾側で触覚は低下していた. 磁気共鳴画像(MRI)検査の結果Th1~Th3に脊髄硬膜外血腫が疑われた. 外傷, 出血傾向, 脊髄動静脈奇形などの明らかな原因や誘因はなかった. 発症4時間後に大量ステロイド療法を, 8時間半後に緊急椎弓切除術を施行した. 手術翌日から両側乳頭より尾側の知覚低下が改善し始め, 歩行器での自力歩行が可能となり, 退院時は両下肢のしびれ感を残すのみであった. 術...
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          | Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 24; no. 3; pp. 132 - 135 | 
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| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本臨床麻酔学会
    
        15.04.2004
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| Subjects | |
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| ISSN | 0285-4945 1349-9149  | 
| DOI | 10.2199/jjsca.24.132 | 
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| Summary: | 自然分娩後に特発性脊髄硬膜外血腫を発症した症例を経験した. 23歳, 女性. 自然分娩16時間後に座位になろうとした際, 背部痛が起こり, その2時間後搬送された時点で両下肢の完全対麻痺を認めた. 両側乳頭より尾側で触覚は低下していた. 磁気共鳴画像(MRI)検査の結果Th1~Th3に脊髄硬膜外血腫が疑われた. 外傷, 出血傾向, 脊髄動静脈奇形などの明らかな原因や誘因はなかった. 発症4時間後に大量ステロイド療法を, 8時間半後に緊急椎弓切除術を施行した. 手術翌日から両側乳頭より尾側の知覚低下が改善し始め, 歩行器での自力歩行が可能となり, 退院時は両下肢のしびれ感を残すのみであった. 術後3ヵ月目には両下肢のしびれ感も消失した. | 
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| ISSN: | 0285-4945 1349-9149  | 
| DOI: | 10.2199/jjsca.24.132 |