FDG-PETによる頭頸部腫瘍診断

FDG-PETは, さまざまな癌の診断に有用なことが明らかにされ, 2002年4月からは保険適用となった。近い将来にはFDGが製薬会社から供給されるようになるため, 病院にサイクロトロンや合成装置を備える必要がなくなり, FDG-PETを施行できる施設は飛躍的に増加することが見込まれている。 FDGはがん細胞の増殖能に相関した集積を示すため, 取り込みは腫瘍の悪性度に依存し, 癌と良性疾患との鑑別に役立つ。治療効果の評価や再発の診断においてもFDG-PETは従来の形態画像を比較して診断能が優れている。 しかしFDGの集積は悪性腫瘍だけではなく, 炎症巣や肉芽腫にも見られ, 偽陽性となる。また脳...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in頭頸部癌 Vol. 30; no. 3; pp. 439 - 444
Main Authors 織内, 昇, 樋口, 徹也, 近松, 一朗, 二宮, 洋, 鎌田, 英男, 遠藤, 啓吾, 宮久保, 満之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本頭頸部癌学会 25.10.2004
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1349-5747
1881-8382
DOI10.5981/jjhnc.30.439

Cover

More Information
Summary:FDG-PETは, さまざまな癌の診断に有用なことが明らかにされ, 2002年4月からは保険適用となった。近い将来にはFDGが製薬会社から供給されるようになるため, 病院にサイクロトロンや合成装置を備える必要がなくなり, FDG-PETを施行できる施設は飛躍的に増加することが見込まれている。 FDGはがん細胞の増殖能に相関した集積を示すため, 取り込みは腫瘍の悪性度に依存し, 癌と良性疾患との鑑別に役立つ。治療効果の評価や再発の診断においてもFDG-PETは従来の形態画像を比較して診断能が優れている。 しかしFDGの集積は悪性腫瘍だけではなく, 炎症巣や肉芽腫にも見られ, 偽陽性となる。また脳, 骨格筋, 尿路, 肝, 消化管, 骨髄など多くの臓器や組織に生理的集積が見られる。 これらFDGの欠点を克服する放射性化合物として, アミノ酸や核酸のポジトロン核種標識化合物が, 癌の診断に応用されている。癌に特異的な新しいPETトレーサーの開発が期待される。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.30.439