家兎咬筋部に移植したVX2癌に対する虚血・再灌流による活性酸素種の抗腫瘍効果

われわれは, 今まで虚血・再灌流によって活性酸素種 (ROS) が発生することを光電子増倍管による化学発光法癌細胞は正常細胞に比べROSのスカベンジャーであるスーパーオキサイドディスムターゼ (SOD) 活性が相対的に低いことが知られ, この結果ROSは癌細胞に対し傷害性を発揮し抗腫瘍効果を示すことが知られている。この虚血・再灌流によって生じるROSが頭頸部悪性腫瘍におよぼす影響を明らかにするため家兎咬筋部にVX2癌を移植し, 同部位の支配動脈である総頸動脈の虚血・再灌流によって発生するROSによる抗腫瘍の検討を行った。アポトーシスによる抗腫瘍効果も一部に認められ, 臨床で通常行われている浅側...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in頭頸部癌 Vol. 30; no. 3; pp. 524 - 531
Main Authors 森, 聡次郎, 牧田, 浩樹, 兵東, 巌, 加藤, 恵三, 柴田, 敏之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本頭頸部癌学会 25.10.2004
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1349-5747
1881-8382
DOI10.5981/jjhnc.30.524

Cover

More Information
Summary:われわれは, 今まで虚血・再灌流によって活性酸素種 (ROS) が発生することを光電子増倍管による化学発光法癌細胞は正常細胞に比べROSのスカベンジャーであるスーパーオキサイドディスムターゼ (SOD) 活性が相対的に低いことが知られ, この結果ROSは癌細胞に対し傷害性を発揮し抗腫瘍効果を示すことが知られている。この虚血・再灌流によって生じるROSが頭頸部悪性腫瘍におよぼす影響を明らかにするため家兎咬筋部にVX2癌を移植し, 同部位の支配動脈である総頸動脈の虚血・再灌流によって発生するROSによる抗腫瘍の検討を行った。アポトーシスによる抗腫瘍効果も一部に認められ, 臨床で通常行われている浅側頭動脈カニュレーションへの付加的治療法になりうることが示唆された。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.30.524