高齢者悪性幽門部狭窄に対し癌緩和医療としてEMS (Expandable metallic stent) を留置し,QOL の改善,長期生存が得られた 1 例
86 歳,女性.平成 19 年 6 月に近医で胃幽門部癌と診断され,他院で精密検査を行い,腹壁および大網への浸潤が認められ,stage IV のため緩和医療を勧められ当院緩和ケア科へ紹介受診となった.しかし,疼痛,嘔気などの自覚症状は認めないため,当科へ転科となり,外来経過観察を行っていた.10 月頃より,嘔吐頻回となり入院.上部内視鏡を施行し幽門部狭窄を認めたため,十分なインフォームドコンセントのもと,Expandable metallic stent (以下 EMS) を留置した.以後,摂取量は少ないものの通常の食事摂取が可能で,EMS 挿入後 1 年 4 ヶ月たった現在でも外来通院中であ...
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          | Published in | 日大医学雑誌 Vol. 68; no. 2; pp. 145 - 149 | 
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| Main Authors | , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本大学医学会
    
        01.04.2009
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| Subjects | |
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| ISSN | 0029-0424 1884-0779  | 
| DOI | 10.4264/numa.68.145 | 
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| Summary: | 86 歳,女性.平成 19 年 6 月に近医で胃幽門部癌と診断され,他院で精密検査を行い,腹壁および大網への浸潤が認められ,stage IV のため緩和医療を勧められ当院緩和ケア科へ紹介受診となった.しかし,疼痛,嘔気などの自覚症状は認めないため,当科へ転科となり,外来経過観察を行っていた.10 月頃より,嘔吐頻回となり入院.上部内視鏡を施行し幽門部狭窄を認めたため,十分なインフォームドコンセントのもと,Expandable metallic stent (以下 EMS) を留置した.以後,摂取量は少ないものの通常の食事摂取が可能で,EMS 挿入後 1 年 4 ヶ月たった現在でも外来通院中である.癌緩和医療における内視鏡の役割として,EMS は食道用ではあるが,胃幽門部や十二指腸狭窄に対し応用でき,QOL の改善に有用であると思われた. | 
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| ISSN: | 0029-0424 1884-0779  | 
| DOI: | 10.4264/numa.68.145 |