4 年 9 ヵ月の経過観察後に手術を施行した横隔膜上食道憩室の一例
要旨 今回我々は,4 年 9 ヶ月の経過観察後に手術を施行した横隔膜上食道憩室の一例を経験したので報告する.症例は 47 歳の男性.平成 15 年 10 月,健診にて 2.5 cm 大の横隔膜上食道憩室を指摘された.無症状にて経過観察していたが,平成 20 年 1 月,憩室の増大 (5 cm)を認め,平成 20 年 6 月より胸やけ等の症状出現を認めたため手術を施行.手術は憩室切除後,逆流防止を意図して Heller 筋切開術,Dor 逆流防止術,Hill の後方固定を追加した.術後経過は良好である.増大傾向のない無症状の食道憩室に対しては,慎重な経過観察が重要であり,増大傾向もしくは症状の出...
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Published in | 日大医学雑誌 Vol. 68; no. 6; pp. 332 - 334 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大学医学会
01.12.2009
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Subjects | |
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ISSN | 0029-0424 1884-0779 |
DOI | 10.4264/numa.68.332 |
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Summary: | 要旨 今回我々は,4 年 9 ヶ月の経過観察後に手術を施行した横隔膜上食道憩室の一例を経験したので報告する.症例は 47 歳の男性.平成 15 年 10 月,健診にて 2.5 cm 大の横隔膜上食道憩室を指摘された.無症状にて経過観察していたが,平成 20 年 1 月,憩室の増大 (5 cm)を認め,平成 20 年 6 月より胸やけ等の症状出現を認めたため手術を施行.手術は憩室切除後,逆流防止を意図して Heller 筋切開術,Dor 逆流防止術,Hill の後方固定を追加した.術後経過は良好である.増大傾向のない無症状の食道憩室に対しては,慎重な経過観察が重要であり,増大傾向もしくは症状の出現を認めた場合には手術を施行すべきである.手術においては,憩室切除とともに逆流防止術を付加すべきであると考えられた. |
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ISSN: | 0029-0424 1884-0779 |
DOI: | 10.4264/numa.68.332 |