犬アトピー性皮膚炎に対する抗原特異的免疫療法の回顧的検討
東京農工大学において抗原特異的免疫療法(Allergen-specific Immunotherapy:ASIT)によって治療された全61例の犬アトピー性皮膚炎症例についてまとめ多角的に考察した。治療効果は以下の3つに分類した。著効:ASITのみ,またはシャンプーの併用療法のみで症状をコントロールできた。有効:ASITを実施する事により,副腎皮質ホルモンの投与量を減少する事ができた。無効:ASITによりなんら臨床的に改善が見られない,または悪化している。治療効果は開始後3ヵ月の時点で判定した。61症例において27例(44.3%)が著効,20例(32.8%)が有効,14例(23.0%)が無効のグ...
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| Published in | 獣医臨床皮膚科 Vol. 12; no. 2; pp. 81 - 86 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本獣医皮膚科学会
20.06.2006
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1347-6416 1881-2236 |
| DOI | 10.2736/jjvd.12.81 |
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| Summary: | 東京農工大学において抗原特異的免疫療法(Allergen-specific Immunotherapy:ASIT)によって治療された全61例の犬アトピー性皮膚炎症例についてまとめ多角的に考察した。治療効果は以下の3つに分類した。著効:ASITのみ,またはシャンプーの併用療法のみで症状をコントロールできた。有効:ASITを実施する事により,副腎皮質ホルモンの投与量を減少する事ができた。無効:ASITによりなんら臨床的に改善が見られない,または悪化している。治療効果は開始後3ヵ月の時点で判定した。61症例において27例(44.3%)が著効,20例(32.8%)が有効,14例(23.0%)が無効のグループに分類された。すなわちASITにより症状の改善が得られたのは47例(77.0%)であった。統計学的有意差は治療開始年齢が0から2歳齢の群と6歳齢以上に治療開始した群で有意差がみられた。治療開始時に4歳齢以下であり,若齢発症で有病期間が短い症例はASITがより有効であることが示唆された。 |
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| ISSN: | 1347-6416 1881-2236 |
| DOI: | 10.2736/jjvd.12.81 |