アクリルポリマーを用いた鎮痛消炎貼付剤の製剤学的特性に関する研究

「緒言」近年, アドヒアランス向上の重要性が叫ばれており, 剤形面からの貢献も注目されている. 具体的には, 口腔内崩壊錠や小児用製剤などの開発である. また, 同時に最も適した投与ルートとそれに応じた剤形の開発が求められている. その1つとして, 経皮ルートをターゲットとした貼付剤が注目されている. 貼付剤は, 制御された薬物放出による作用の持続化や肝初回通過効果の回避が可能であること, 投薬中止による副作用を軽減できる等の利点がある. また, 投与の簡便性, 投与管理の容易さ及び経口投与が困難な患者に適用できるといった利点も併せ持っており, 超高齢化社会により直面している医療環境の変化の中...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 140; no. 9; pp. 1175 - 1183
Main Authors 深水, 啓朗, 四角, 凌悟, 藤井, 美佳, 我藤, 勝彦, 加藤, 秀, 小出, 達夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.09.2020
日本薬学会
Subjects
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.20-00108

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Summary:「緒言」近年, アドヒアランス向上の重要性が叫ばれており, 剤形面からの貢献も注目されている. 具体的には, 口腔内崩壊錠や小児用製剤などの開発である. また, 同時に最も適した投与ルートとそれに応じた剤形の開発が求められている. その1つとして, 経皮ルートをターゲットとした貼付剤が注目されている. 貼付剤は, 制御された薬物放出による作用の持続化や肝初回通過効果の回避が可能であること, 投薬中止による副作用を軽減できる等の利点がある. また, 投与の簡便性, 投与管理の容易さ及び経口投与が困難な患者に適用できるといった利点も併せ持っており, 超高齢化社会により直面している医療環境の変化の中で, 貼付剤の存在価値はますます高まっている. 貼付剤の1つであるマトリックス型貼付剤は, マトリックス自体が粘着性を有していることから貼付面積を小さくでき, 粘着層 (薬物保持層) が薄いため装着感も少ないといった利点があることから, 多くの製剤が上市されている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.20-00108