両側性前庭障害に対する TPAD による感覚代行を用いた平衡訓練

「はじめに」ヒトの姿勢制御に関与する主な感覚情報は, 視覚情報, 前庭情報, 体性感覚情報の三つであり, これらの感覚情報が中枢神経系で統合され, 姿勢を制御する. 前庭情報は, 前庭動眼反射や前庭脊髄反射を介して姿勢制御に重要な役割を果たしている. 一側の末梢前庭機能が障害されるとめまいが発症し, 平衡障害が生じる. 障害された末梢前庭機能が回復しなくても, 前庭代償と呼ばれる中枢前庭系による機能代償により, 急性期の平衡障害は次第に軽快する. しかし, 前庭代償が遅延して平衡障害が持続する患者は少なくない. 前庭代償の遅延した難治性一側性前庭障害患者には, 平衡訓練が有効である....

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Published inEquilibrium Research Vol. 80; no. 3; pp. 210 - 215
Main Author 佐藤, 豪
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 30.06.2021
日本めまい平衡医学会
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ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.80.210

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Summary:「はじめに」ヒトの姿勢制御に関与する主な感覚情報は, 視覚情報, 前庭情報, 体性感覚情報の三つであり, これらの感覚情報が中枢神経系で統合され, 姿勢を制御する. 前庭情報は, 前庭動眼反射や前庭脊髄反射を介して姿勢制御に重要な役割を果たしている. 一側の末梢前庭機能が障害されるとめまいが発症し, 平衡障害が生じる. 障害された末梢前庭機能が回復しなくても, 前庭代償と呼ばれる中枢前庭系による機能代償により, 急性期の平衡障害は次第に軽快する. しかし, 前庭代償が遅延して平衡障害が持続する患者は少なくない. 前庭代償の遅延した難治性一側性前庭障害患者には, 平衡訓練が有効である.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.80.210