NAFLD治療薬としてのPPAR dual/panアゴニストの展望
「1. はじめに」非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease; NAFLD)は, 主にメタボリックシンドロームに関連する因子とともに, 組織あるいは画像診断において脂肪肝を認める病態である. そして今, 世界的な肥満人口の爆発的増加に伴うNAFLD患者の激増への対策が喫緊の課題となっている. NAFLDは病態が進行し難い非アルコール性脂肪肝(nonalcoholic fatty liver; NAFL)と炎症・線維化を伴う進行性の非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis; NASH)に分類されるが, NA...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 142; no. 12; pp. 1335 - 1343 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.12.2022
日本薬学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.22-00159-1 |
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Summary: | 「1. はじめに」非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease; NAFLD)は, 主にメタボリックシンドロームに関連する因子とともに, 組織あるいは画像診断において脂肪肝を認める病態である. そして今, 世界的な肥満人口の爆発的増加に伴うNAFLD患者の激増への対策が喫緊の課題となっている. NAFLDは病態が進行し難い非アルコール性脂肪肝(nonalcoholic fatty liver; NAFL)と炎症・線維化を伴う進行性の非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis; NASH)に分類されるが, NASHが悪性化すると慢性炎症による肝細胞壊死や硬化を伴う肝硬変(cirrhosis), さらには肝細胞がん(hepatocellular carcinoma; HCC)の発症に至る. 世界人口の4人に1人がNAFLDに罹患していると想定され, 米国の2015年のNAFLD患者は8310万人(人口の約25%), NASH患者は1652万人であり, 2030年にはそれぞれ1億90万人, 2700万人に増加すると予測されている. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.22-00159-1 |