タイプ論の感情機能と共感イメージ反応の受容性
「問題と目的」 共感研究のアプローチには, 主体が他者の立場に立つことを重視する「認知的アプローチ」, 主体が他者の情緒を感じ取る「情緒的アプローチ」, 認知面に情緒的反応が伴って共感が成立するとする統合的な立場がある. 一方, Jungのタイプ論(Jung, 1921 林訳 1987)によれば, 感情機能は意識内容を価値によって判断する合理機能とされている. これまでタイプ論の感情機能が高いものほど, 情緒的および認知的共感性を高く示すこと(Seides, 1989), 他者感情との共有経験を高く示し, 同時に共有不全経験を低く示すこと(佐藤, 2009)が報告されている. 発生論的に言えば...
Saved in:
Published in | パーソナリティ研究 Vol. 27; no. 2; pp. 149 - 151 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本パーソナリティ心理学会
01.11.2018
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1348-8406 1349-6174 |
DOI | 10.2132/personality.27.2.1 |
Cover
Summary: | 「問題と目的」 共感研究のアプローチには, 主体が他者の立場に立つことを重視する「認知的アプローチ」, 主体が他者の情緒を感じ取る「情緒的アプローチ」, 認知面に情緒的反応が伴って共感が成立するとする統合的な立場がある. 一方, Jungのタイプ論(Jung, 1921 林訳 1987)によれば, 感情機能は意識内容を価値によって判断する合理機能とされている. これまでタイプ論の感情機能が高いものほど, 情緒的および認知的共感性を高く示すこと(Seides, 1989), 他者感情との共有経験を高く示し, 同時に共有不全経験を低く示すこと(佐藤, 2009)が報告されている. 発生論的に言えば, 主体の共感性は養育者から共感されるイメージの内在化と関わっている. 角田(1993)は大学生を対象に場面想定法を用いて調査し, 共感性の高いものほど養育者(母親)から受容的な被共感イメージの反応を有することを明らかにした. |
---|---|
ISSN: | 1348-8406 1349-6174 |
DOI: | 10.2132/personality.27.2.1 |