オピオイド製剤からフェンタニル貼付剤へのオピオイドローテーションの適応とがん疼痛治療における換算比の検討
「緒言」がんは死因の第1位を占め, 平成16年にはがんによる死亡数32万人, 人口10万人当たりの死亡者は510人, 総死亡の31%を占めるに至っている. がん患者の約80%はがんの進行に伴う痛みを訴え, そのうちの約30%は, 耐え難い痛みを持つとされており, その痛みを取ることは, 患者のQOL向上に必須である. WHO式除痛ラダーは, 痛みの程度に合わせた鎮痛薬の使用法を定めたものである. 1996年に一部改正された除痛ラダーによれば, 第1段階の軽度の痛みには非オピオイド薬を用い, 第2段階の中等度の強さの痛みには, リン酸コデインや少用量オキシコドンなどの弱オピオイドを用いる. そし...
Saved in:
Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 129; no. 3; pp. 335 - 340 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.03.2009
日本薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.129.335 |
Cover
Summary: | 「緒言」がんは死因の第1位を占め, 平成16年にはがんによる死亡数32万人, 人口10万人当たりの死亡者は510人, 総死亡の31%を占めるに至っている. がん患者の約80%はがんの進行に伴う痛みを訴え, そのうちの約30%は, 耐え難い痛みを持つとされており, その痛みを取ることは, 患者のQOL向上に必須である. WHO式除痛ラダーは, 痛みの程度に合わせた鎮痛薬の使用法を定めたものである. 1996年に一部改正された除痛ラダーによれば, 第1段階の軽度の痛みには非オピオイド薬を用い, 第2段階の中等度の強さの痛みには, リン酸コデインや少用量オキシコドンなどの弱オピオイドを用いる. そして, 第3段階の高度の痛みに対しては, モルヒネ, フェンタニル及びオキシコドンを用いることを推奨している. しかし, モルヒネによる嘔気, 嘔吐等の副作用が出現した場合には, 強オピオイドを継続, 増量して除痛することが困難である. |
---|---|
ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.129.335 |