小学校6 年間の縦断的調査を基にした肥満児童の体格の推移
「I 緒言」 わが国における子どもの体格の経年的変化は, 性・学年によって多少の異なりが見られるものの, 肥満は平成18年度から減少傾向にあったが, 23年度以降はほぼ横ばいに推移している(文部科学省, 2016). 特に発育期の肥満は現在および将来の健康を損なうため大きな社会問題となっている(小林, 1998). 平成27年度の学校保健統計調査によると小学6年時の肥満は男子で9.9%, 女子では7.9%であり, 昭和52年の出現頻度と比べると依然, 高い水準である(文部科学省, 2016). 肥満は糖尿病や脂質異常症, 高血圧症といった生活習慣病の大きな危険因子の1つである. 成人における肥...
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Published in | 体育学研究 Vol. 63; no. 2; pp. 495 - 504 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本体育学会
10.12.2018
日本体育学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0484-6710 1881-7718 |
DOI | 10.5432/jjpehss.17069 |
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Summary: | 「I 緒言」 わが国における子どもの体格の経年的変化は, 性・学年によって多少の異なりが見られるものの, 肥満は平成18年度から減少傾向にあったが, 23年度以降はほぼ横ばいに推移している(文部科学省, 2016). 特に発育期の肥満は現在および将来の健康を損なうため大きな社会問題となっている(小林, 1998). 平成27年度の学校保健統計調査によると小学6年時の肥満は男子で9.9%, 女子では7.9%であり, 昭和52年の出現頻度と比べると依然, 高い水準である(文部科学省, 2016). 肥満は糖尿病や脂質異常症, 高血圧症といった生活習慣病の大きな危険因子の1つである. 成人における肥満の多くは小児期に始まり, 小児期の肥満が思春期や成人の肥満へ移行するとされ(泉, 2014; Natalie et al., 2010; 大見ほか, 1995; Singh et al., 2008), 子どもの肥満を是正することが重要と指摘されている(花木, 2011; 大見ほか, 1995; 大関, 2010). |
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ISSN: | 0484-6710 1881-7718 |
DOI: | 10.5432/jjpehss.17069 |