シトラール,シンナムアルデヒド,オリゴノール®,カプリン酸を含有する飴の口腔カンジダ症に対する効果

「はじめに」 口腔カンジダ症はCandida albicansを主な病原体とする日和見感染で, 局所的な宿主防御能低下の最大の要因は口腔乾燥である. 唾液分泌量と口腔のCandida生菌数は負の相関を示し, この相関関係は基礎疾患を有する患者でより顕著である. また, Candidaの増加と口腔カンジダ症の症状出現との関係も示唆されていることから, 唾液分泌の減退はカンジダ症の重要なリスクファクターと考えられる. カンジダ症の治療は, 抗真菌薬の投薬に加えて, リスクファクターへの対処が不可欠である. しかしながら唾液分泌減退は, 発症のメカニズムが不明なものや原因療法がないものが少なくないた...

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Published inORAL THERAPEUTICS AND PHARMACOLOGY Vol. 37; no. 3; pp. 101 - 107
Main Authors 松川, 泰治, 中川, 洋一, 山近, 重生, 安部, 茂, 羽山, 和美, 鈴木, 基文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科薬物療法学会 2018
JAPANESE SOCIETY OF ORAL THERAPEUTICS AND PHARMACOLOGY
Subjects
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ISSN0288-1012
1884-4928
DOI10.11263/jsotp.3003

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Summary:「はじめに」 口腔カンジダ症はCandida albicansを主な病原体とする日和見感染で, 局所的な宿主防御能低下の最大の要因は口腔乾燥である. 唾液分泌量と口腔のCandida生菌数は負の相関を示し, この相関関係は基礎疾患を有する患者でより顕著である. また, Candidaの増加と口腔カンジダ症の症状出現との関係も示唆されていることから, 唾液分泌の減退はカンジダ症の重要なリスクファクターと考えられる. カンジダ症の治療は, 抗真菌薬の投薬に加えて, リスクファクターへの対処が不可欠である. しかしながら唾液分泌減退は, 発症のメカニズムが不明なものや原因療法がないものが少なくないため, 唾液分泌機能の改善が得られず, 乾燥に対する対症療法に終始するケースも少なくない. そのような症例は常に口腔カンジダ症のリスクを有しており, 繰り返し生じるカンジダ症の再燃が問題になる. このような背景から, Candida菌数の増加を抑制し口腔カンジダ症の予防効果がある効果的な補助療法が望まれていた.
ISSN:0288-1012
1884-4928
DOI:10.11263/jsotp.3003