質量分析計による蛋白質同定~シグナル伝達研究への応用

「和文抄録」質量分析計による蛋白質同定は, 相互作用解析やリン酸化部位の決定など, シグナル伝達研究の有力なツールとなるが, サンプルが微量のため, 同定が困難な事が多い. 当研究室では, 微量な蛋白質を質量分析で同定するためのサンプル調製法を独自に開発し, 従来のゲル内消化では困難だった微量な蛋白質を質量分析計で同定する事に成功したので, その方法と実施例について, 紹介する. 「はじめに」質量分析計による蛋白質同定は, 蛋白質の網羅的な同定といった大規模解析の他, シグナル伝達研究の有力なツールとなる. 例えば, 免疫沈降やプルダウンアッセイ等の相互作用解析で, ある蛋白質と結合する蛋白質...

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Published in山口医学 Vol. 64; no. 3; pp. 177 - 181
Main Authors 張, 影, 小林, 誠, 岸, 博子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 01.08.2015
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ISSN0513-1731
1880-4462
DOI10.2342/ymj.64.177

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Summary:「和文抄録」質量分析計による蛋白質同定は, 相互作用解析やリン酸化部位の決定など, シグナル伝達研究の有力なツールとなるが, サンプルが微量のため, 同定が困難な事が多い. 当研究室では, 微量な蛋白質を質量分析で同定するためのサンプル調製法を独自に開発し, 従来のゲル内消化では困難だった微量な蛋白質を質量分析計で同定する事に成功したので, その方法と実施例について, 紹介する. 「はじめに」質量分析計による蛋白質同定は, 蛋白質の網羅的な同定といった大規模解析の他, シグナル伝達研究の有力なツールとなる. 例えば, 免疫沈降やプルダウンアッセイ等の相互作用解析で, ある蛋白質と結合する蛋白質を検出した場合, ウェスタンブロットでは, どの様な蛋白質が結合しているか予測し, それに対する抗体を選択しなければならないが, 質量分析は, 全く情報の無い状態で, あるいは, 良い抗体が入手できない状態でも, 蛋白質を同定する事ができる.
ISSN:0513-1731
1880-4462
DOI:10.2342/ymj.64.177