鶏骨による小腸穿通に対し腹腔鏡アプローチを行った一手術例

症例は52歳, 男性. 右下腹部痛で当院を受診し, 急性虫垂炎の疑いで入院となった. 血液検査では軽度の炎症所見のみであったが, 腹部CTで小腸内にhigh densityな線状の異物を認めた. 小腸異物による穿通と診断し手術を行った. 腹腔鏡で腹腔内の検索を行うと回腸の一部に発赤を認めた. 発赤部位の直上で小開腹を行い小腸を切開し異物を摘出した. 異物はV字型の骨様であり形状と本人の食事歴より鶏骨と判断した. 術後経過は良好で術後6日目に退院した. 消化管異物の症例に対する腹腔鏡アプローチは広範囲に腹腔内の観察が行え, 最小限の創で処置が可能である. 病状に応じてはファーストチョイスになりう...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 59; no. 2; pp. 165 - 169
Main Authors 堤, 裕史, 岩崎, 茂, 塚越, 浩志, 高橋, 憲史, 竹吉, 泉, 堀井, 吉雄, 室谷, 研, 吉成, 大介, 小川, 博臣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2009
Subjects
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.59.165

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Summary:症例は52歳, 男性. 右下腹部痛で当院を受診し, 急性虫垂炎の疑いで入院となった. 血液検査では軽度の炎症所見のみであったが, 腹部CTで小腸内にhigh densityな線状の異物を認めた. 小腸異物による穿通と診断し手術を行った. 腹腔鏡で腹腔内の検索を行うと回腸の一部に発赤を認めた. 発赤部位の直上で小開腹を行い小腸を切開し異物を摘出した. 異物はV字型の骨様であり形状と本人の食事歴より鶏骨と判断した. 術後経過は良好で術後6日目に退院した. 消化管異物の症例に対する腹腔鏡アプローチは広範囲に腹腔内の観察が行え, 最小限の創で処置が可能である. 病状に応じてはファーストチョイスになりうると考えられる.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.59.165