群馬県渋川市における在宅医療・介護の施設分布に関する一検討

背景・目的:地域単位で地域包括ケアシステムの構築が求められている. 一基礎自治体における在宅医療・介護施設の分布を同時に調査するとともに, この分布と地域での助け合いの関係性について検討する. 方 法:群馬県渋川市を対象事例として, 小地域ごとに在宅医療・介護の施設分布を, 地理情報システムの手法で調査した. 自治体からの公開データを用いて分析した. 結 果:在宅医療・介護を行う施設が両者ともに存在した小地域が84%で, 両者のいずれかが揃って存在していない小地域は16%であった. 両者の揃っていない地域では高齢化と過疎化の背景が示唆された. 渋川市高齢者調査の回答をもとにすると, 在宅医療・...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 67; no. 4; pp. 323 - 328
Main Authors 小谷, 和彦, 中村, 剛史, 桑山, 貴志, 亀崎, 豊実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.11.2017
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.67.323

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Summary:背景・目的:地域単位で地域包括ケアシステムの構築が求められている. 一基礎自治体における在宅医療・介護施設の分布を同時に調査するとともに, この分布と地域での助け合いの関係性について検討する. 方 法:群馬県渋川市を対象事例として, 小地域ごとに在宅医療・介護の施設分布を, 地理情報システムの手法で調査した. 自治体からの公開データを用いて分析した. 結 果:在宅医療・介護を行う施設が両者ともに存在した小地域が84%で, 両者のいずれかが揃って存在していない小地域は16%であった. 両者の揃っていない地域では高齢化と過疎化の背景が示唆された. 渋川市高齢者調査の回答をもとにすると, 在宅医療・介護施設のいずれかが揃っていない地域では, 住民同士の助け合いがあるとする割合が高かった. これらの地域では地域資源として住民の互助が潜在的に備わっていることが示唆された. 結 語:在宅医療・介護施設は多くの地域で共に分布しており, 両施設がない地域では互助的な地域資源が潜在していた. この結果は, 地域包括ケアシステムの構築を検討する上での一資料になり得る.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.67.323