神経伝導検査における刺激の波及 (current spread) 現象
刺激の波及 (current spread) の現象は神経伝導検査 (NCS) における重要なpitfallである。これらに周知していないと, ルーチン検査でも間違った結果を得る場合があり, 特に運動神経伝導検査 (MCS) では伝導ブロックについての誤診につながりやすい。正中–尺骨神経間のspreadはErb点では必発, 手掌, 腋窩・上腕部でも高頻度に起こる。手首刺激でも不用意に強い刺激でspreadが起こり得る。正中神経MCSの近位刺激ではcollision法が必須である。また手根管症候群での手掌刺激MCSの解釈には注意を要する。橈骨神経MCSでも腋窩, Erb点で正中神経にspread...
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| Published in | 臨床神経生理学 Vol. 42; no. 1; pp. 21 - 30 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
01.02.2014
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| ISSN | 1345-7101 2188-031X |
| DOI | 10.11422/jscn.42.21 |
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| Summary: | 刺激の波及 (current spread) の現象は神経伝導検査 (NCS) における重要なpitfallである。これらに周知していないと, ルーチン検査でも間違った結果を得る場合があり, 特に運動神経伝導検査 (MCS) では伝導ブロックについての誤診につながりやすい。正中–尺骨神経間のspreadはErb点では必発, 手掌, 腋窩・上腕部でも高頻度に起こる。手首刺激でも不用意に強い刺激でspreadが起こり得る。正中神経MCSの近位刺激ではcollision法が必須である。また手根管症候群での手掌刺激MCSの解釈には注意を要する。橈骨神経MCSでも腋窩, Erb点で正中神経にspreadするので対処が必要である。感覚神経伝導検査 (SCS) でもspreadは問題となり得る。母指比較法, 環指比較法でのフタコブラクダ徴候 (Bactrian sign), 示指刺激順行法正中神経SCSでの橈骨神経へのspread, 逆行法尺骨神経SCS手首刺激の背側皮枝へのspread, 外側前腕皮神経SCSでの橈骨神経へのspreadなどについて解説する。 |
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| ISSN: | 1345-7101 2188-031X |
| DOI: | 10.11422/jscn.42.21 |