電子カルテ導入前後における看護情報の評価

【背景と目的】 電子カルテ導入による看護情報への影響を明らかにするために, 電子カルテ導入前後に用いられた看護記録をもとに, 情報量と内容を評価した. 【対象と方法】 全面的に電子カルテシステムを導入した病院で調査を行った. 分析対象は属性をマッチングさせた術後患者のSOAP形式の看護記録とし, 電子カルテ導入前後それぞれ13名の術後患者のデータを比較した. 【結果】 電子カルテ導入前後の看護診断・関連因子・看護計画・経時的問題の量的比較において, 有意差はなかった. NANDA13領域の分類では, 導入前のデータは4領域に有意に集中した. 関連因子は, 導入前に統一された表現であったが, 導...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 55; no. 2; pp. 115 - 122
Main Authors 齋藤, やよい, 堀越, 政孝, 杉本, 厚子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2005
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.55.115

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Summary:【背景と目的】 電子カルテ導入による看護情報への影響を明らかにするために, 電子カルテ導入前後に用いられた看護記録をもとに, 情報量と内容を評価した. 【対象と方法】 全面的に電子カルテシステムを導入した病院で調査を行った. 分析対象は属性をマッチングさせた術後患者のSOAP形式の看護記録とし, 電子カルテ導入前後それぞれ13名の術後患者のデータを比較した. 【結果】 電子カルテ導入前後の看護診断・関連因子・看護計画・経時的問題の量的比較において, 有意差はなかった. NANDA13領域の分類では, 導入前のデータは4領域に有意に集中した. 関連因子は, 導入前に統一された表現であったが, 導入後では様々な表現が用いられていた. 【結語】 導入による診断のワンパターン化が懸念されたが, 候補リストの表示や, 判断を伴う選択は, むしろ論理的な思考を広げ, データベースを重視した計画の立案に有用であると考えられた.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.55.115