Entecavirとdasatinibを併用し,安全に治療継続し得たHBVキャリアの新規発症慢性骨髄性白血病慢性期
症例は63歳男性. 血液検査, 骨髄検査から慢性骨髄性白血病慢性期 (CML-CP) と診断した. 初診時よりHBV-DNAが検出され, HBVキャリアと診断した. チロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) 投与によるHBV再活性化の可能性を考慮しentecavir 0.5mg/日の投与を先行した. HBV-DNA量の低下を確認しdasatinib 100mg/日の併用を開始した. 投与3ヵ月後に細胞遺伝学的部分寛解, 12ヶ月後に分子生物学的大寛解を得た. 治療経過中HBV再活性化, 肝障害は認めず, 現在も併用療法継続中である. 近年, 免疫抑制作用を持つ薬剤によるHBV再活性化が報告されている...
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| Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 64; no. 1; pp. 51 - 55 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
北関東医学会
01.02.2014
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| Subjects | |
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| ISSN | 1343-2826 1881-1191 |
| DOI | 10.2974/kmj.64.51 |
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| Summary: | 症例は63歳男性. 血液検査, 骨髄検査から慢性骨髄性白血病慢性期 (CML-CP) と診断した. 初診時よりHBV-DNAが検出され, HBVキャリアと診断した. チロシンキナーゼ阻害薬 (TKI) 投与によるHBV再活性化の可能性を考慮しentecavir 0.5mg/日の投与を先行した. HBV-DNA量の低下を確認しdasatinib 100mg/日の併用を開始した. 投与3ヵ月後に細胞遺伝学的部分寛解, 12ヶ月後に分子生物学的大寛解を得た. 治療経過中HBV再活性化, 肝障害は認めず, 現在も併用療法継続中である. 近年, 免疫抑制作用を持つ薬剤によるHBV再活性化が報告されている. Dasatinibも免疫抑制作用を持つと考えられており, HBV再活性化の可能性が示唆される. HBVキャリアCML-CPに対し, entecavirとdasatinibを併用し安全に治療を継続し得た症例を経験したので報告する. |
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| ISSN: | 1343-2826 1881-1191 |
| DOI: | 10.2974/kmj.64.51 |