ふらつきを主訴に耳鼻咽喉科を受診した硬膜動静脈瘻の一例
「はじめに」めまいを主訴に受診される中枢障害症例の中には, 初診時に明らかな中枢症状は認められず画像検査で診断される症例がある. 今回ふらつきを主訴に受診され, MRIで小脳浮腫と硬膜動静脈瘻を認めた症例を経験したので報告をする. 「症例」症例:76歳, 女性 主訴:ふらつき 既往歴:虫垂炎 現病歴:2週間前からのふらつき, まっすぐ歩けなくなったことを主訴にX日当科受診. 初診時所見では, 注視眼振は認められなかったが, 赤外線CCDカメラ下の臥位頭位および頭位変換眼振検査で弱い左向きの定方向性眼振を認め, 純音聴力検査は右40.0dB左57.5dB(4分法)の感音難聴を認めたが, 耳鳴の訴...
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Published in | Equilibrium Research Vol. 81; no. 4; pp. 206 - 211 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
31.08.2022
日本めまい平衡医学会 |
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ISSN | 0385-5716 1882-577X |
DOI | 10.3757/jser.81.206 |
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Summary: | 「はじめに」めまいを主訴に受診される中枢障害症例の中には, 初診時に明らかな中枢症状は認められず画像検査で診断される症例がある. 今回ふらつきを主訴に受診され, MRIで小脳浮腫と硬膜動静脈瘻を認めた症例を経験したので報告をする. 「症例」症例:76歳, 女性 主訴:ふらつき 既往歴:虫垂炎 現病歴:2週間前からのふらつき, まっすぐ歩けなくなったことを主訴にX日当科受診. 初診時所見では, 注視眼振は認められなかったが, 赤外線CCDカメラ下の臥位頭位および頭位変換眼振検査で弱い左向きの定方向性眼振を認め, 純音聴力検査は右40.0dB左57.5dB(4分法)の感音難聴を認めたが, 耳鳴の訴えはなかった. 顔面麻痺, 軟口蓋麻痺, 顔面と上肢の触覚及び温痛覚障害, 指鼻試験での測定障害, 回内回外での協調運動障害などの中枢所見は認められなかった. 急な聴力低下の自覚はなかったが, 以前に聴力低下の既往はなく, めまいを伴った急性感音難聴の可能性を否定できなかったためトラベルミン(R), ドンペリドンに加えてプレドニゾロン30mgより漸減投与を開始した. |
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ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.81.206 |