重心動揺検査ロンベルグ率の検討

「はじめに」 ロンベルグ現象陽性は, 末梢前庭障害をスクリーニングする上で大切な所見の一つである. そのロンベルグ現象を数値判定できる唯一の手段が, 重心動揺検査のロンベルグ率である. 本邦では外周面積値のロンベルグ率を使用するのが一般的だが, 実効値面積値, 矩形面積値, 前後最大径, 左右最大径, 総軌跡長など各種の解析項目が使用できる. しかし, どの項目がロンベルグ現象の判定に適するのかは, 過去の報告を渉猟してもはっきりしない. このような理由で, 本論文では末梢前庭疾患やその他の疾患について, 上記の各種ロンベルグ率の異常出現頻度を解析した. その結果をもとに, 末梢前庭疾患のスク...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inEquilibrium Research Vol. 81; no. 3; pp. 142 - 147
Main Authors 上田, 直子, 將積, 日出夫, 浅井, 正嗣, 前田, 千尋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 30.06.2022
日本めまい平衡医学会
Online AccessGet full text
ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.81.142

Cover

More Information
Summary:「はじめに」 ロンベルグ現象陽性は, 末梢前庭障害をスクリーニングする上で大切な所見の一つである. そのロンベルグ現象を数値判定できる唯一の手段が, 重心動揺検査のロンベルグ率である. 本邦では外周面積値のロンベルグ率を使用するのが一般的だが, 実効値面積値, 矩形面積値, 前後最大径, 左右最大径, 総軌跡長など各種の解析項目が使用できる. しかし, どの項目がロンベルグ現象の判定に適するのかは, 過去の報告を渉猟してもはっきりしない. このような理由で, 本論文では末梢前庭疾患やその他の疾患について, 上記の各種ロンベルグ率の異常出現頻度を解析した. その結果をもとに, 末梢前庭疾患のスクリーニングの立場で見たときに, どの解析項目が適するのかを検討したので報告する. 「方法」 機器および計測値: 重心動揺計は, ユニメック社(東京都府中市府中町3-3-9)のUM-HSTBを使用した.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.81.142