真実を知らずに突然死した大腸がん患者の看護における看護師の倫理的・道徳的ジレンマの検討

【目 的】 看護師のジレンマを明確にし, 看護師の役割の示唆を得ることを目的とした. 【方 法】 看護師が倫理的・道徳的ジレンマを感じた一事例の患者が亡くなるまでの7日間を, MORALモデル (Patricia Crisham. 1992)1 の問題解決ツールを用いて分析を行った. 【結 果】 患者に真実を告げることは残酷なことではないか, 患者が積極的な治療を選択した場合, 患者の苦痛が増強するのではないか, というジレンマが明確になった. 真実を伝えた上で積極的な治療を選択した場合, S氏の身体状況が治療に耐えられないことや苦痛が増強することが考えられた. 【結 語】 数日単位の真実の告...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 58; no. 1; pp. 27 - 33
Main Authors 石田, 和子, 瀬山, 留加, 細川, 舞, 狩野, 太郎, 神田, 清子, 吉田, 久美子, 伊藤, 民代, 石田, 順子, 田辺, 美佐子, 茂木, 寿江, 角田, 明美, 二渡, 玉江, 赤石, 三佐代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.02.2008
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.58.27

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Summary:【目 的】 看護師のジレンマを明確にし, 看護師の役割の示唆を得ることを目的とした. 【方 法】 看護師が倫理的・道徳的ジレンマを感じた一事例の患者が亡くなるまでの7日間を, MORALモデル (Patricia Crisham. 1992)1 の問題解決ツールを用いて分析を行った. 【結 果】 患者に真実を告げることは残酷なことではないか, 患者が積極的な治療を選択した場合, 患者の苦痛が増強するのではないか, というジレンマが明確になった. 真実を伝えた上で積極的な治療を選択した場合, S氏の身体状況が治療に耐えられないことや苦痛が増強することが考えられた. 【結 語】 数日単位の真実の告知では, むしろ患者にとっては安寧を損ねることもあり, よって患者を見守ることも看護師の役割であることが示唆された.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.58.27