救急・集中治療領域において家族にエンドオブライフ・ケアを行う看護師の困難に対する対処

目 的:救急・集中治療領域において家族にエンドオブライフ・ケアを行う看護師の困難に対する対処を明らかにする.方 法:救急外来および集中治療室の看護師15名にインタビューガイドを用いた半構造化面接調査を行った.面接調査は,質的記述的研究手法を参考に分析した.結 果:困難の対処として,【困難の解決に向けた模索】【巻き込まれる自分の感情を守るための方策】【エンドオブライフ・ケアに対する意欲の高まり】が生成された.考 察:救急・集中治療領域看護師は,家族の悲痛な感情に看護師自身が巻き込まれすぎないように一定の距離を保ちながら,家族の反応や心情を探っていた.困難の対処には,同僚の存在が重要であり,部署全...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 72; no. 1; pp. 49 - 57
Main Authors 瀬沼, 麻衣子, 櫻井, 美緒, 塚越, 徳子, 京田, 亜由美, 二渡, 玉江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.02.2022
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.72.49

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Summary:目 的:救急・集中治療領域において家族にエンドオブライフ・ケアを行う看護師の困難に対する対処を明らかにする.方 法:救急外来および集中治療室の看護師15名にインタビューガイドを用いた半構造化面接調査を行った.面接調査は,質的記述的研究手法を参考に分析した.結 果:困難の対処として,【困難の解決に向けた模索】【巻き込まれる自分の感情を守るための方策】【エンドオブライフ・ケアに対する意欲の高まり】が生成された.考 察:救急・集中治療領域看護師は,家族の悲痛な感情に看護師自身が巻き込まれすぎないように一定の距離を保ちながら,家族の反応や心情を探っていた.困難の対処には,同僚の存在が重要であり,部署全体やチームなどの組織的なエンドオブライフ・ケアへの取り組みの必要性が示唆された.看護師自身の気持ちや経験を語る場の設定や,家族に対するエンドオブライフ・ケアの動機付けを高める教育を行うことが重要である.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.72.49