1型糖尿病発症時に認められた糖尿病性ケトアシドーシスの1例
「はじめに」糖尿病性ケトアシドーシスと高浸透圧高血糖症候群は, 糖尿病疾患において生命にかかわる緊急合併症である. 以前は糖尿病性昏睡と記載されていたが, これらの患者がすべて昏睡状態で来院するわけではない. 本症例のように軽症のうちに自ら受診する例も多い. この段階で適切に診断, 治療し重症化させないことが重要である. 「症例紹介」38歳の女性. 主訴 : 全身倦怠感, 口渇, 多飲, 多尿. 既往歴 : なし. 家族歴 : なし. 現病歴 : 生来健康であり昨年の健康診断でも特に異常を指摘されたことはなかった. 妊娠時に境界型を指摘されたが特にその後加療していなかった. 2週間前から倦怠感...
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| Published in | 順天堂醫事雑誌 Vol. 59; no. 3; pp. 289 - 291 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
順天堂医学会
2013
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| ISSN | 2187-9737 2188-2126 |
| DOI | 10.14789/jmj.59.289 |
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| Summary: | 「はじめに」糖尿病性ケトアシドーシスと高浸透圧高血糖症候群は, 糖尿病疾患において生命にかかわる緊急合併症である. 以前は糖尿病性昏睡と記載されていたが, これらの患者がすべて昏睡状態で来院するわけではない. 本症例のように軽症のうちに自ら受診する例も多い. この段階で適切に診断, 治療し重症化させないことが重要である. 「症例紹介」38歳の女性. 主訴 : 全身倦怠感, 口渇, 多飲, 多尿. 既往歴 : なし. 家族歴 : なし. 現病歴 : 生来健康であり昨年の健康診断でも特に異常を指摘されたことはなかった. 妊娠時に境界型を指摘されたが特にその後加療していなかった. 2週間前から倦怠感, 口渇症状が出現し, 1週間前から大量のお茶や炭酸飲料を飲水するようになった. その後多尿症状も出現し夜間頻尿となった. ご自身で糖尿病を疑いかかりつけの近医を受診, 血糖値が400mg/dl台, 尿ケトン体陽性であり当院当科紹介となった. |
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| ISSN: | 2187-9737 2188-2126 |
| DOI: | 10.14789/jmj.59.289 |