薬用植物から得られる化学的に不安定な成分を使用した機能性化合物の開発研究
「1. はじめに」筆者らは, 薬用植物, 特に, 食用にも供されている"薬用食品"に着目し, それらの機能性関与成分を利用した難治性疾患予防・治療薬の開発研究に取り組んできた. 最近では, スイレン科ネムロコウホネ(Nuphar pumilum)根茎に含有する含硫黄セスキテルペンアルカロイド6,6'-dihydroxythiobin-upharidine及びキク科アーティチョーク(Cynara scolymus)葉部に含有するセスキテルペンラクトンcynaropicrinの抗がん作用の作用機序に関する知見を得るとともに, cynaropicrinに親和性を示す候補...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 144; no. 1; pp. 21 - 26 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.01.2024
日本薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.23-00161-1 |
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Summary: | 「1. はじめに」筆者らは, 薬用植物, 特に, 食用にも供されている"薬用食品"に着目し, それらの機能性関与成分を利用した難治性疾患予防・治療薬の開発研究に取り組んできた. 最近では, スイレン科ネムロコウホネ(Nuphar pumilum)根茎に含有する含硫黄セスキテルペンアルカロイド6,6'-dihydroxythiobin-upharidine及びキク科アーティチョーク(Cynara scolymus)葉部に含有するセスキテルペンラクトンcynaropicrinの抗がん作用の作用機序に関する知見を得るとともに, cynaropicrinに親和性を示す候補タンパク質としてATP/ADP translocase 2 (adenine nucleotide translocase 2: ANT2)を同定した. これら以外にも, ハス科ハス(Nelumbo nucifera)花部あるいは葉部からアポルフィン型アルカロイドを, ミカン科オオバゲッキツ(Murraya koenigii)葉部(カレーリーフ)からカルバゾール型アルカロイドを単離するとともに, それらの成分が神経様突起伸展促進作用を有することを見い出した. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.23-00161-1 |