早期舌がんにおけるレーザー治療

歯科用レーザーは優れた切開・止血能を有している.この性質は口腔外科領域の軟組織疾患手術に適している.レーザー手術の適応としては,表在性悪性腫瘍や前がん病変の切除・蒸散があげられる.今回,われわれは早期舌がんにレーザーを使用しその適応および問題点について検討した.電気メスでの切除症例と比較するとレーザーメスでは,血管の切断面は十分に熱凝固された.また切断面の組織内に赤血球の組織浸潤がみられず,切除時の出血が少なかった.舌がんでは舌筋層に切除が及ぶため,切開時に筋収縮の生じないレーザーは正確なマージン設定が可能となる....

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 39; no. 2; pp. 111 - 116
Main Authors 吉田, 憲司, 中山, 敦史, 阿知波, 基信, 横井, 共, 阿部, 厚, 前田, 初彦, 伊東, 優, 栗田, 賢一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会 15.07.2018
日本レーザー医学会
Subjects
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ISSN0288-6200
1881-1639
DOI10.2530/jslsm.jslsm-39_0017

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Summary:歯科用レーザーは優れた切開・止血能を有している.この性質は口腔外科領域の軟組織疾患手術に適している.レーザー手術の適応としては,表在性悪性腫瘍や前がん病変の切除・蒸散があげられる.今回,われわれは早期舌がんにレーザーを使用しその適応および問題点について検討した.電気メスでの切除症例と比較するとレーザーメスでは,血管の切断面は十分に熱凝固された.また切断面の組織内に赤血球の組織浸潤がみられず,切除時の出血が少なかった.舌がんでは舌筋層に切除が及ぶため,切開時に筋収縮の生じないレーザーは正確なマージン設定が可能となる.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm.jslsm-39_0017