周産期母体腸内細菌叢と児の脳発達

児の腸内細菌叢の定着は母親の常在細菌叢を第一の源として起こる.腸内細菌叢は母と子を結ぶリンクの1つであると言える.適切な母子関係は児の脳発達において大切な働きをする.周産期における母親の感染症,ストレス,高脂肪食による肥満など様々な環境因子が児の腸内細菌の定着に影響を与え,その結果,児の脳発達にも影響を与えることが複数の研究から示されている.我々は,非吸収性抗生剤を妊娠マウスに投与し,母親の腸内細菌叢を撹乱する実験を行った.その結果,仔の行動に変化が観察された.本総説では,児の脳発達における周産期母体腸内細菌叢の役割について議論する....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inChōnai saikingaku zasshi Vol. 31; no. 1; pp. 33 - 41
Main Author 栃谷, 史郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 公益財団法人 腸内細菌学会 2017
日本ビフィズス菌センター
Japan Science and Technology Agency
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1343-0882
1349-8363
DOI10.11209/jim.31.33

Cover

More Information
Summary:児の腸内細菌叢の定着は母親の常在細菌叢を第一の源として起こる.腸内細菌叢は母と子を結ぶリンクの1つであると言える.適切な母子関係は児の脳発達において大切な働きをする.周産期における母親の感染症,ストレス,高脂肪食による肥満など様々な環境因子が児の腸内細菌の定着に影響を与え,その結果,児の脳発達にも影響を与えることが複数の研究から示されている.我々は,非吸収性抗生剤を妊娠マウスに投与し,母親の腸内細菌叢を撹乱する実験を行った.その結果,仔の行動に変化が観察された.本総説では,児の脳発達における周産期母体腸内細菌叢の役割について議論する.
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
ObjectType-Feature-2
content type line 14
ISSN:1343-0882
1349-8363
DOI:10.11209/jim.31.33