小学生の体育学習における動機づけモデルの検討:動機づけ雰囲気の認知,学習動機,および方略使用の関連

「問題」体育学習における小学生の動機づけを高めるためには, 学習内容や学習方法のような状況要因に加え, 達成目標や内発的動機づけといった個人の特性要因にも注目する必要がある. なかでも, どのような理由や動機に基づいて学習しているのかという学習動機は, 現実のさまざまな状況要因と関わって動機づけとなり, 学習行動に影響する(速水, 1987)ことから, 体育学習における動機づけを考える場合に重要な要因の1つであると考えられる. ところで, 学習場面における動機づけ研究は, 従来, 熟達目標か成績目標か, 内発か外発かというように二項対立的に扱われてきたように思われる. しかしながら, 児童がな...

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Published in体育学研究 Vol. 58; no. 2; pp. 567 - 583
Main Authors 杉山, 佳生, 渋倉, 崇行, 佐々木, 万丈, 磯貝, 浩久, 西田, 保, 伊藤, 豊彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育学会 2013
日本体育学会
Subjects
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ISSN0484-6710
1881-7718
DOI10.5432/jjpehss.12071

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Summary:「問題」体育学習における小学生の動機づけを高めるためには, 学習内容や学習方法のような状況要因に加え, 達成目標や内発的動機づけといった個人の特性要因にも注目する必要がある. なかでも, どのような理由や動機に基づいて学習しているのかという学習動機は, 現実のさまざまな状況要因と関わって動機づけとなり, 学習行動に影響する(速水, 1987)ことから, 体育学習における動機づけを考える場合に重要な要因の1つであると考えられる. ところで, 学習場面における動機づけ研究は, 従来, 熟達目標か成績目標か, 内発か外発かというように二項対立的に扱われてきたように思われる. しかしながら, 児童がなぜ学習するのかという動機はきわめて多様であることから, 実際の学習場面に即した学習動機を包括的に検討するため, 様々な概念化と分類が提案されている. たとえば, 市川(1995)は, 理論からトップダウン的に学習動機をとらえるのではなくて, ボトムアップ的なアプローチの必要性を提唱し, 充実志向, 訓練志向, 実用志向, 関係志向, 賞賛志向, および報酬志向の6つの学習動機を分類した.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.12071