炎症性および非炎症性脊髄症の鑑別診断
炎症性脊髄症と非炎症性脊髄症の鑑別は難しいことがある.年齢と性,発症のスピードと経過,全身症状,脊髄および脳MRI,自己抗体,髄液所見などの臨床情報が必要である.特に発症のスピードが鑑別に重要である.炎症性脊髄症は通常急性/亜急性経過をとるのに対して,脊髄梗塞は超急性経過,脊髄髄内腫瘍などは慢性進行性の経過をとることが多い.脊髄硬膜動静脈瘻は,通常は慢性進行性だが,初期には症状の変動があり,急性発症にみえる場合がある.炎症性脊髄症の診断には,圧迫性脊髄症を確実に否定することが必要である.かりに確定診断ができなくても,治療経過の中で適宜再検討が必要である....
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Published in | 臨床神経学 Vol. 63; no. 12; pp. 806 - 812 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2023
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-001909 |
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Summary: | 炎症性脊髄症と非炎症性脊髄症の鑑別は難しいことがある.年齢と性,発症のスピードと経過,全身症状,脊髄および脳MRI,自己抗体,髄液所見などの臨床情報が必要である.特に発症のスピードが鑑別に重要である.炎症性脊髄症は通常急性/亜急性経過をとるのに対して,脊髄梗塞は超急性経過,脊髄髄内腫瘍などは慢性進行性の経過をとることが多い.脊髄硬膜動静脈瘻は,通常は慢性進行性だが,初期には症状の変動があり,急性発症にみえる場合がある.炎症性脊髄症の診断には,圧迫性脊髄症を確実に否定することが必要である.かりに確定診断ができなくても,治療経過の中で適宜再検討が必要である. |
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ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-001909 |