MRIにおける無症候性脳病変を用いた主に脳小血管病に関連する脳卒中発症リスクスコアの開発

【背景および目的】脳小血管病に関連する脳卒中発症の予測因子として,臨床的な因子に加え頭部MRIにおける無症候性脳病変が知られており,これらを組み合わせた脳卒中発症リスクスコアの開発を試みた.【方法】ヘルスサイエンスセンター島根の脳ドック受診者1,790名を対象とし,受検後の脳卒中発症の有無を調査した.背景因子およびMRI所見の比較から脳卒中発症に寄与する因子を抽出し,脳卒中発症リスクのスコア化を試みた.【結果】高齢(65歳以上),高血圧,無症候性脳梗塞,深部白質病変,微小脳出血の5項目がそれぞれ有意なリスク因子となった.各項目1点とし,0点の群を基準とした脳卒中発生ハザード比では,3点で16....

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Published in脳卒中 Vol. 43; no. 6; pp. 505 - 510
Main Authors 山口, 修平, 小野田, 慶一, 長井, 篤, 岩佐, 憲一, 高吉, 宏幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2021
日本脳卒中学会
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.10894

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Summary:【背景および目的】脳小血管病に関連する脳卒中発症の予測因子として,臨床的な因子に加え頭部MRIにおける無症候性脳病変が知られており,これらを組み合わせた脳卒中発症リスクスコアの開発を試みた.【方法】ヘルスサイエンスセンター島根の脳ドック受診者1,790名を対象とし,受検後の脳卒中発症の有無を調査した.背景因子およびMRI所見の比較から脳卒中発症に寄与する因子を抽出し,脳卒中発症リスクのスコア化を試みた.【結果】高齢(65歳以上),高血圧,無症候性脳梗塞,深部白質病変,微小脳出血の5項目がそれぞれ有意なリスク因子となった.各項目1点とし,0点の群を基準とした脳卒中発生ハザード比では,3点で16.8(P<0.01),4点で44.0(P<0.005),5点で121.2(P<0.001)であった.【結論】血管障害リスクにMRI画像所見を組み合わせ,より精緻な脳卒中発症予測スコアを作成できた.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10894