埼玉県急性期脳梗塞治療ネットワーク導入前後での急性期血行再建術の比較

要旨:【目的】埼玉県は脳血管内治療専門医が全国平均より少なく,脳梗塞患者を迅速に搬送するために2018年から埼玉県急性期脳梗塞治療ネットワーク(Saitama Stroke Network: SSN)を開始した.川口市立医療センターはSSNに参加し,患者数増加に備えて診療体制を整備した.診療体制整備の成果と問題点を明らかにするため,急性期血行再建術の成績を調査した.【方法】2016年1月~2017年12月の35例を前期群,2018年1月~2019年12月の27例を後期群として,SSN前後での発症から再開通までの時間と転帰を比較した.【結果】後期群で穿刺から再開通までの時間が有意に短縮し,再開通...

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Published in脳卒中 Vol. 43; no. 5; pp. 403 - 408
Main Authors 金沢, 優, 古市, 眞, 吉野, 篤緒, 倉田, 原哉, 加納, 利和, 下田, 健太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2021
日本脳卒中学会
Subjects
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.10842

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Summary:要旨:【目的】埼玉県は脳血管内治療専門医が全国平均より少なく,脳梗塞患者を迅速に搬送するために2018年から埼玉県急性期脳梗塞治療ネットワーク(Saitama Stroke Network: SSN)を開始した.川口市立医療センターはSSNに参加し,患者数増加に備えて診療体制を整備した.診療体制整備の成果と問題点を明らかにするため,急性期血行再建術の成績を調査した.【方法】2016年1月~2017年12月の35例を前期群,2018年1月~2019年12月の27例を後期群として,SSN前後での発症から再開通までの時間と転帰を比較した.【結果】後期群で穿刺から再開通までの時間が有意に短縮し,再開通率も良好であった.来院から穿刺までの時間は有意差がなかった.【結語】更なる時間短縮のために,症例毎に問題点を評価する仕組みと脳卒中診療に対するコメディカルスタッフの習熟が必要であった.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10842