腸内フローラの同定:DNAプローブとプライマー
「細菌のDNAの抽出と精製」糞便から核酸を抽出する場合, フローラを形成する菌種にはclostridia, lactobacilli, ruminococciなどグラム陽性菌が多いので抽出にはこれらの菌の核酸もグラム陰性のbacteroidesと抽出効率に差が出ない方法を採用すべきである. 多くの抽出キットが市販されている(Table1), アルカリ溶解や酵素だけを使った方法では核酸回収率に差が出るので我々は物理的破砕方法で菌を壊し, 核酸を抽出している. 「1. 糞便の前処理」フローラを解析するための糞便は出来るだけ新鮮な糞便を使用し, 凍結や冷蔵庫による保存を避ける. 糞便を凍結すると溶解...
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| Published in | 腸内細菌学雑誌 Vol. 20; no. 3; pp. 245 - 258 |
|---|---|
| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益財団法人 腸内細菌学会
2006
日本ビフィズス菌センター |
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| ISSN | 1343-0882 1349-8363 |
| DOI | 10.11209/jim.20.245 |
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| Summary: | 「細菌のDNAの抽出と精製」糞便から核酸を抽出する場合, フローラを形成する菌種にはclostridia, lactobacilli, ruminococciなどグラム陽性菌が多いので抽出にはこれらの菌の核酸もグラム陰性のbacteroidesと抽出効率に差が出ない方法を採用すべきである. 多くの抽出キットが市販されている(Table1), アルカリ溶解や酵素だけを使った方法では核酸回収率に差が出るので我々は物理的破砕方法で菌を壊し, 核酸を抽出している. 「1. 糞便の前処理」フローラを解析するための糞便は出来るだけ新鮮な糞便を使用し, 凍結や冷蔵庫による保存を避ける. 糞便を凍結すると溶解する際に菌が壊れ, 核酸の回収率が低下し, 定量解析ができなくなる. 冷蔵庫保存でも一日保存しておくと, 菌の自己融解が進み, 定量解析に影響する. 糞便内の菌数の偏りの影響を避けるため, 我々は通常は2gの糞便を18mlのリン酸バッファーと混合し10倍のけん濁液を作成している. この過程で食物残査のような大きな混入物も除去出来るので定量性が向上する. けん濁液を2mlとり, 菌体を遠心沈殿させ, 沈査をGirconium beadsを使って物理的破砕を行っている(Fig.1). |
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| ISSN: | 1343-0882 1349-8363 |
| DOI: | 10.11209/jim.20.245 |