静脈グラフトを用いたhigh flowバイパス術

「はじめに」 high flow バイパス術(high flow bypass : HFB)は, 内頚動脈近位部大型動脈瘤でクリッピング術・瘤内塞栓術のいずれも困難な場合に用いられることが多い. 最近はflow diverterなどによる血管内治療も可能となったが, HFB+親動脈(内頚動脈)閉塞術が選択肢となることも多く, 施設ごとに手術手技を確立し継承していく必要があると思われる. 今回, われわれが行っている大伏在静脈を用いたHFBについて手技の要点とpitfallを報告する. 「対象」 対象は1998年以降, 静脈グラフトを用いたHFBを行った19例(海綿静脈洞部12例, 硬膜内7例)...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 48; no. 4; pp. 265 - 269
Main Authors 富樫, 俊太郎, 柳澤, 俊晴, 清水, 宏明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2020
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.48.265

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Summary:「はじめに」 high flow バイパス術(high flow bypass : HFB)は, 内頚動脈近位部大型動脈瘤でクリッピング術・瘤内塞栓術のいずれも困難な場合に用いられることが多い. 最近はflow diverterなどによる血管内治療も可能となったが, HFB+親動脈(内頚動脈)閉塞術が選択肢となることも多く, 施設ごとに手術手技を確立し継承していく必要があると思われる. 今回, われわれが行っている大伏在静脈を用いたHFBについて手技の要点とpitfallを報告する. 「対象」 対象は1998年以降, 静脈グラフトを用いたHFBを行った19例(海綿静脈洞部12例, 硬膜内7例)である. 「方法」 「1. バイパスの選択」 親動脈閉塞にあたり併用するバイパスの選択は, 従来の報告を基盤としballoon test occlusion(BTO)によるFig.1のアルゴリズムを用いている. 「2. HFBの手術手技」 (1)手術体位, 頚部操作と開頭, insurance bypass 仰臥位で頭部を健側に30-45度回旋させ, chin up, vertex downとし, 頚部は伸展させる.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.48.265