悪性リンパ腫による巨脾に対して腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した2例

腹腔鏡下脾臓摘出術が適応となる悪性疾患,脾腫のサイズに関する明確なエビデンスはないが,技術修練と経験によって遂行可能な症例は腹腔鏡下脾臓摘出術を第1選択とすることが推奨されている.今回我々は悪性リンパ腫による巨脾症例に対して腹腔鏡下脾臓摘出術を施行し得た2例を経験した.症例は40歳代男性と70歳代男性で,CTでの脾臓最大長径は24 cmと21 cmであった.腹腔鏡下脾臓摘出術を完遂し,手術時間は324分と271分,出血量は10 ccと56 cc,摘出脾臓重量は1,500 gと1,550 gであった.病理組織学的診断は脾B細胞性濾胞辺縁帯リンパ腫とマントル細胞リンパ腫の診断であった.いずれも長径...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 69; no. 3; pp. 215 - 220
Main Authors 吉成, 大介, 棚橋, 美文, 小林, 光伸, 髙橋, 研吾, 倉林, 誠, 蒔田, 富士雄, 鈴木, 司, 宮澤, 悠里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.08.2019
Subjects
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.69.215

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Summary:腹腔鏡下脾臓摘出術が適応となる悪性疾患,脾腫のサイズに関する明確なエビデンスはないが,技術修練と経験によって遂行可能な症例は腹腔鏡下脾臓摘出術を第1選択とすることが推奨されている.今回我々は悪性リンパ腫による巨脾症例に対して腹腔鏡下脾臓摘出術を施行し得た2例を経験した.症例は40歳代男性と70歳代男性で,CTでの脾臓最大長径は24 cmと21 cmであった.腹腔鏡下脾臓摘出術を完遂し,手術時間は324分と271分,出血量は10 ccと56 cc,摘出脾臓重量は1,500 gと1,550 gであった.病理組織学的診断は脾B細胞性濾胞辺縁帯リンパ腫とマントル細胞リンパ腫の診断であった.いずれも長径20 cmを超える巨脾症例であったが,脾門部の処理を先行して行う前方アプローチで安全に腹腔鏡下に施行し得た.巨脾に対する脾門先行処理による腹腔鏡下脾臓摘出術は有用な方法と考えられた.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.69.215